健康診断でグルコースやホルモンなど濃度を測る際に採血をすることが多く、痛みが伴い苦手と思う方も少なくない。また、注射針を使う場合は医療従事者が必要となる。そこで【痛みなき世界を実現する】という想いから、センサー用の【マイクロニードル】技術を世界で初めて開発しました。
この技術は直径1ミリメートル以下の微細な針を用い、蚊に刺される場合と同様に痛みや出血を伴わず、簡単に細胞間質液を取り出すことを可能に。マイクロニードルを用いたパッチを肌に貼ると、細胞間質液が吸い上げられ、針の上部の試験紙に表れる色の濃淡で濃度測定ができるという仕組みです。
現況の市場には、長さ1ミリメートル程度以下の針を用いた、低侵襲かつ微細な中空針やハイドロゲルでできたマイクロニードル、多孔質マイクロニードルなどが報告されています。しかし、それぞれ、加工のコスト、侵襲性、機械的な充分な強度(無痛の尖った先端のマイクロニードルの適切な寸法、形状、皮膚に穿刺やすい強度)、ニードル材料の体内安全性(折れて皮下に残留した場合のリスク)など、実用化に向けては、まださまざまな課題が残っていました。
しかし、研究を重ねていく中で、ニードルの精密さの向上やニードルが血中に溶ける素材を採用したことにより、
安全性の高いマイクロニードルデバイスを提供できるようになりました。