医療従事者でなくても、痛みなく、体の状態をモニタリングできるパッチ型センサーの開発に成功した。
高齢化社会の到来とともに、予防医療に注目が集まっている中で、自宅で簡便・確実に行える診断システムが有用と注目されている。例えば、微量の血液から糖尿病や生活習慣病、COVID-19などの感染症の診断ができるヘルスモニタリング用のマイクロチップを用いた診断などが期待されている。
そんな中、世界で初めて、生体分解性高分子を用いて多孔質のマイクロニードルを紙の基板上に製作し、低侵襲で皮下の体液を直接取り出して微小流路デバイスをとおしてセンサー部へ届け、精度高く長期間にわたり自分の血糖値を測定できるマイクロニードルパッチ型センサーの開発に成功した。
現在商用化された自己血糖測定器キットは、指に針をさして出血させて血糖値を測定するため苦痛をともなう。だがこのマイクロニードルパッチ型センサーは自分自身で痛みを伴わず、正確な測定を可能にする。
糖尿病患者以外にもその予備軍と言われる成人が、日常生活において、自分で簡単に血糖値を確認し、病気の可能性を調べることができる。このパッチは安価で量産可能であり、使い捨ての使用を想定している。今まで困難とされていた、多孔質マイクロニードルの最適な形状と寸法を実現する製作方法を確立し、皮膚への穿刺可能な機械的強度(必要強度の6倍以上持つ)を示すことも確認できた。