マイクロニードルで肌の角質層を貫通させれば、手軽に塗り薬よりも大きな効果を得ることが可能に。
薬や美容液を塗っても、肌の外側には外部環境から体を保護する角質層があり、含まれる高分子の成分が体内に入りにくいため効果は制限されてしまう。
そこで微小な針で角質層を貫通させれば手軽に塗り薬よりも大きな効果が得られるだろうと研究が行われてきた。
当初はシリコンや金属、光で硬化するポリマーで作った微小な針で皮膚に穴を開け、そこに薬を塗り込むという手法をとっていたが、
それが折れると異物として体内に残ってしまう問題があり、微小なデバイスを作るのは技術的に難しかった。
だが、10年ほど前からは「マイクロナノマシン」や「MEMS」といった半導体加工プロセスの研究が進んできた。体内で溶けるポリマーでマイクロニードルを作り、その中にヒアルロン酸などを入れて固めれば、マイクロニードルとともに体内の水分で溶けて体内に拡散する。これが実用化されたのが肌の皺(しわ)をなくすために用いられる美容パッチだ。
このように美容の分野でマイクロニードルを幅広く応用することが可能である。